新規に会社を設立される方や、中小企業の業務効率化プロジェクトで相談されることが多い事項に「会計ソフトをどうしたらいいのか」があります。
会計ソフトから得られる情報は経営にとって大切なので慎重に選びたいものです。
従来、会計ソフトはそれほど機能に違いがあるものではありませんでしたから、「顧問税理士が選んだソフト」というのは正解の一つでした。ところが、最近は会計ソフトの性能差が大きくなってきました。
会計ソフトは、大きく分けて、マネーフォワード(MF)・フリー(freee)といった「クラウド型サービス」、弥生会計や勘定奉行といった「PCソフト」、ミロク・JDL財務・TKCのFX4といった「税理士連携ソフト」の3つです。
この点、私が日常的に触っているソフトで比較すれば以下の通りです。
経営に役立つ実力
クラウド会計(freee) >クラウド会計(MF)>>PCソフト(弥生)>税理士連携ソフト(ミロク・JDL・TKC)
アプリケーションの使い勝手
PCソフト => クラウド会計 >> 税理士連携ソフト
顧問税理士の業務に役立つ実力
税理士連携ソフト >> PCソフト > クラウド会計(MF)? >クラウド会計(freee)
一般に会計事務所は、決算書や税務申告書を作成するソフトベンダーと契約しています。使用しているベンダーのソフトを顧問先に使用してもらえれば、データが簡単に連動して、下手したらボタン一つで申告書ができるので、そのソフトを薦めるものだと思います。
しかし、どれも経営分析のための計数分析の能力は前時代的です。特にTKCのFX4などは、クライアント側では財務データのExcelでのデータ抽出にすら対応していません。
経営者の欲しいデータは常に変わるものですから、できるだけ柔軟なシステムを選ぶべきで、はっきり言うとクラウド会計の2つと、インストール型の弥生会計の間には圧倒的な実力差があります。更に、税理士連携ソフトの方は、一般的にスマートフォンやパソコンが使えないような高齢なシニア経営者や会計事務所員のためのものでしょう。
また、弥生会計のほか税理士連携ソフトも最近は「クラウド」や「フィンテック」を謳ったサービスを展開してきていますが、従来のレガシーシステムにすぎないです。単純にネットバンクから銀行明細をダウンロードできるだけで「クラウド」や「フィンテック」という名称を冠している程度なので、ITが分かる人には少々恥ずかしい代物です。
そして、最後に値段ですが・・
導入と運用コスト(値段)
インストール型ソフト < クラウド会計ソフト << 税理士連携ソフト
上記のようになっており、法人の経理ソフトは最低でも年間5万円~、費やすものとお考え下さい。
個人的には、会計事務所が対応してくれるならば、今から会計システムを選ぶとすれば、MFクラウドかfreeeの比較以外は考えられないと思います。